獣医師が伝える「わんちゃんと安心して暮らすために今すぐ出来る災害対策」

いつ起こるかわからない自然災害。地震や台風などの緊急事態が発生したとき、大切な家族であるわんちゃんの命を守れるのは、飼い主さんだけです。

いざという時にパニックにならず行動するためには、平時からの備えが欠かせません。愛犬と安心して暮らすために、今日からすぐに始められる具体的な対策を4つのポイントに分けてお伝えします。

1. 命をつなぐ「ローリングストック」のすすめ

人間の救援物資は比較的早く届きますが、ペット用の救援物資が避難所に届くまでにはかなりの時間がかかります。最低でも「5日分」できれば10日分以上の備蓄を心がけましょう。

「備蓄」と聞くと特別に用意しなければならないように感じるかもしれませんが、フードは、常に少し多めに買い置きし、古いものから消費していくだけで構いません。こうした「ローリングストック法」を習慣にすれば、いざというとき慌てずに済みます。

食べ慣れたフードと飲料水

災害時の大きなストレス下では、胃腸の働きが落ちて下痢をしてしまったり、警戒して初めての食べ物を口にしなくなる子が非常に多いです。必ず「普段から食べ慣れているフード」を用意してください。

特に食物アレルギーがある子や、特定の療法食を食べている子は、避難所で同じものを手に入れることはほぼ不可能であるため、多めのストックが必須です。

常備薬と予防薬(ノミ・マダニ・フィラリア)

持病の薬はもちろんですが、予防薬も重要です。避難所など多くの動物が集まる場所や、屋外での避難を余儀なくされた場合、感染症や寄生虫のリスクが跳ね上がります。

シニア犬・持病のある子のためのケア用品

シニア犬は体温調節が苦手になっています。夏場は冷却マット、冬場は防寒用の毛布や服を準備してください。また、足腰が弱っている子のためには、瓦礫の中を歩かせる危険を避けるためのペットカートや、移動用のしっかりしたハーネスも役立ちます。

衛生用品と排泄グッズ

避難所でのトラブルで多く聞かれるのが「ニオイ」です。ペットシーツ、マナーウェア(おむつ)、そして防臭効果の高いウンチ袋は多めに用意しましょう。

2. はぐれてしまった時の3つの命綱

万が一、災害の混乱で愛犬と離れ離れになってしまった場合、再会できる確率を劇的に上げるのが確実な身元証明です。次の3つを全て備えておくようにしましょう。

マイクロチップ(登録情報の更新も忘れずに)

現在、マイクロチップの装着が推進(販売業者に対しては義務化)されていますが、意外と多いのが「引っ越しで住所が変わったのに登録情報を更新していない」「電話番号が古いまま」というケースです。

いざ保護されても飼い主様に連絡がつかないという事態を防ぐため、登録情報が最新か今すぐ確認してください(環境省の指定登録機関である「犬と猫のマイクロチップ情報登録のサイト」から変更できます)

迷子札(アナログの備え)

マイクロチップリーダーがない場所や、一般の方が保護してくれた場合に備え、首輪やハーネスには必ず「飼い主の電話番号」を書いた迷子札をつけましょう。迷子札はアナログですが、最も早く連絡をもらえる手段です。

スマホに「最新の全身と顔の写真」を保存

迷子ポスターの作成やSNSでの情報拡散の際に、愛犬の特徴がはっきりとわかる写真が必要です。定期的に全身や顔のアップ、特徴的な模様などを撮影しておきましょう。

3. 避難所でのストレスを最小限にする「健康管理と社会化」

避難所という見知らぬ場所で、多くの知らない人や動物と一緒に過ごすことは、わんちゃんにとって計り知れないストレスとなります。このストレスを和らげるための「日頃のしつけと予防」は、立派な防災対策です。

クレートトレーニング(ハウストレーニング)

「クレート(ケージ・キャリー)=安心できる自分の部屋」と認識させることは、命を守る最重要のトレーニングです。避難所では基本的にクレートの中で過ごすことになります。

普段から扉を開けたまま部屋の隅に置き、中でおやつを食べさせたりお昼寝をさせたりして、「ここに入れば安全だ」と学習させておきましょう。

基本的なコマンドと社会化

「マテ」「オイデ」などの指示にいつでも従えるようにしておくことで、パニック時の飛び出しなどから命を守ることができます。また、普段から色々な人や犬、生活音に慣れさせておくことで、避難所での過剰な警戒心を和らげることができます。

ワクチン接種と狂犬病予防注射

避難所には様々な動物が集まります。お互いの感染を防ぐためにも、法律で義務付けられている狂犬病予防注射と、混合ワクチンの定期的な接種は必ず済ませておきましょう。未接種の場合、避難所での受け入れを断られる、あるいは隔離されるケースもあります。

4. 「避難シミュレーション」をしよう

モノやしつけの準備ができたら、最後は「行動」の準備です。

ハザードマップと避難所のルールの確認

お住まいの地域のハザードマップを確認し、指定避難所が「ペット同行避難」を受け入れているか調べておきましょう。注意点として、同行避難は「一緒に安全な場所へ逃げること」であり、「避難所内で同じ部屋で過ごせる(同室避難)」とは限りません。

屋外のテントや別室になることも多いため、事前の確認が必要です。

実際に一緒に歩いてみる(避難訓練)

散歩のコースに「避難所までのルート」を組み込んでみてください。実際に歩くことで、「このブロック塀は倒れそうで危ない」「夜は街灯がなく真っ暗になる」など、地図ではわからない危険箇所に気づくことができます。

まとめ

災害対策は、決して「特別なこと」ではありません。ごはんを少し多めに買っておく、クレートで寝る習慣をつける、お散歩のコースを変えてみる。そんな毎日の「少しの工夫」の延長線上にあります。

今日から防災を意識することで、漠然とした不安が減り、愛犬とより安心・笑顔で生活できるようになりますよ。

災害対策にもぺこふる

クレート(ケージ・キャリー)に慣らす訓練のご褒美として、是非ぺこふるをお使いください。美味しくて、栄養バランスの良いごはんなので、トレーニングのご褒美に最適です。

また、嵩張らないふりかけは、防災グッズとしてもおすすめ。
いつものトッピングもあるとわんちゃんも安心して食欲が維持でき、いざというときに役立ちます。

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