犬のデンタルケアは、歯周病などの口内トラブルを予防するためにとても重要です。しかし、わんちゃんが元気で、よくごはんを食べていると見逃されていることも多くあります。美味しくごはんを食べるためにも、習慣にしていきましょう。ここでは、効果的なデンタルケアの方法をいくつかご紹介します。
歯周病は最も多く見られる犬の生活習慣病
動物病院に来院する半数以上の犬が、何らかの歯科疾患を抱えているとも言われるほど歯周病は多く見られる病気です。 わんちゃんは、歯垢が歯石になるまでの時間が短く、3〜5日程度で形成されることが知られています。
歯垢は細菌と細菌が作る副産物でできており、歯垢や歯石が溜まると歯茎の腫れや出血が見られる歯肉炎を引き起こします。 歯肉炎の段階で治療すれば概ね治すことが可能ですが、進行すると歯周炎となり、歯が抜けてしまったり、心臓や腎臓など臓器に影響を及ぼすこともあります。
効果的なデンタルケア
歯周病にならないために、自宅や病院でのケアは大切です。効果的なデンタルケアとはどのようなものかご紹介していきます。
1.歯磨き
デンタルケアの基本は、やはり歯磨きです。毎日行うのが理想ですが、難しければ週に2〜3回でも効果があります。 最初から歯ブラシで歯を磨いてしまうと「歯磨きは怖いもの、嫌なもの」という印象がつきやすくなってしまいます。
まずは、歯ブラシや歯磨き粉を見せてご褒美をあげるだけ。 「歯ブラシや歯磨き粉は良いもの」と条件付けを行うことで、その後の歯磨きがスムーズにできるようになります。 焦らず、歯ブラシを見たら喜んで寄ってくるくらいまで続けます。数日〜1週間程度が目安です。
続いて指に歯磨きジェルをつけて、歯や歯茎に触れる練習を始めると良いでしょう。慣れてきたら、少しずつ歯ブラシを使っていきます。褒めながら、少しずつ時間をかけて行うことが大切です。
このとき、歯ブラシと歯磨き粉は犬専用のものを使いましょう。歯磨き粉は、犬が好む味がついたものを選ぶと、歯磨きを嫌がりにくくなります。 磨き方のポイントですが、歯と歯茎の境目に歯ブラシを45度の角度であてて、優しく小刻みに動かします。
特に汚れがたまりやすい奥歯を重点的に磨きましょう。 ただし、わんちゃんによっては奥歯に触られるのを嫌がる子もいます。 その場合は「奥歯に触ってご褒美をあげる」など焦らず、少しずつ慣れさせることを意識してください。
2. 歯磨き効果のあるおやつやおもちゃ
歯磨きをどうしても嫌がる場合は、デンタルケア用のおやつやおもちゃを活用するのも良い方法です。 デンタルガムは、噛むことで歯の汚れを落とし、歯茎をマッサージする効果が期待できます。犬の年齢や体重に合ったものを選びましょう。
コングのような、噛んで遊べる硬いおもちゃも歯垢の付着を抑える助けになります。 ただし、これらはあくまで補助的なものです。可能であれば、歯磨きと併用することをおすすめします。
3. 動物病院での定期検診
日頃気をつけていても、自宅でのケアだけでは、歯石を完全に除去するのは難しい場合があります。 定期的に動物病院で歯の状態をチェックしてもらい、歯石の付着具合や歯周病の兆候がないか確認しましょう。 歯石がひどい場合は、麻酔をかけてクリーニングを行う必要があります。かかりつけの先生と相談して、適切なタイミングでクリーニングを検討しましょう。
犬のデンタルケアは、毎日の積み重ね
健康な歯を維持するには、日々のケアを続けていくことが何より重要です。愛犬のペースに合わせて、無理のない範囲で続けていきましょう。